消防用設備等の点検・報告について


消防用設備等定期点検報告制度

消防用設備等は、いついかなる場合に火災が発生しても確実に作動するよう、日頃の維持管理が十分に行われることが必要です。このため、消防法では、消防用設備等の点検・報告ばかりではなく、整備を含め、適正な維持管理を行うことを防火対象物の関係者に義務づけています。

消防用設備等の点検は、法令で定められた点検基準と点検要領に従って行わなければなりません。
点検時には、防火管理者等が必ず立ち会って、適正な点検が行われているかを確認するよう指導されています。

(平成11年6月14日 消防予第145号)

消防用設備等に点検済票(ラベル)が貼られていますか?→ 点検済票(ラベル)について
点検の種別と期間 消防用設備等(平成16年消防庁告示第9号)
機器点検(6月ごと)

次の事項について、消防用設備等の種類等に応じ、 点検基準に従い確認することです。

消防用設備等に附置される非常電源(自家発電設備に限る。)又は動力消防ポンプの正常な作動
消防用設備等の機器の適正な配置、損傷等の有無その他主として外観から判別できる事項
消防用設備等の機能について、 外観から又は簡易な操作により判別できる事項

総合点検(1年ごと)

消防用設備等の全部若しくは一部を作動させ、 又は当該消防用設備等を使用することにより、当該消防用設備等の総合的な機能を消防用設備等の種類等に応じ、 点検基準に従い確認することです。

特殊消防用設備等 (設備等設置維持計画に定める点検の期間ごと)
設備等設置維持計画に定める点検の基準に従い確認することです。
整備 不良箇所消防用設備等又は特殊消防用設備等の整備(軽微な整備は除く。)は、消防設備士でなければできません(消防法施行令第36条の2)。
点検済票(ラベル)の貼付

法令に基づく適正な点検を行った証として、点検済票(ラベル)を
消防用設備等の定められた位置に貼付します。

当協会に登録された点検実施者に交付する点検済票(ラベル)。

点検済証 点検済証 点検済証

点検結果報告書の作成

点検した結果は、点検結果総括表、点検者一覧表及び点検票に点検者が記入します。
報告書、点検結果総括表、点検者一覧表及び点検票の様式は、定められています
(昭和50年消防庁告示第14号、平成16年消防庁告示第9号)。 → 様式のダウンロード

報告の期間 消防用設備等(消防法施行規則第31条の6第3項)
特定防火対象物 = 1年に1回 
(百貨店、旅館、ホテル、病院、飲食店、地下街など)

非特定防火対象物 = 3年に1回
(工場、事務所、倉庫、共同住宅、学校、駐車場など)

特殊消防用設備等(消防法施行規則第31条の6第2項)
設備等設置維持計画に定める期間ごと
報告先 防火対象物関係者が、 消防長又は消防署長(消防本部のない市町村は市町村長)へ
直接又は郵送(消防長又は消防署長が適当と認める場合)により報告

消防用設備等 特殊消防用設備等の種類別点検資格・点検期間

消防用設備等の種類
特殊消防用設備等
点検資格 点検期間
消防設備士
(甲種・乙種)
消防設備
点検資格者
機器点検 総合点検



消火器及び簡易消火用具 第6類 第1種 6月ごと
屋内消火栓設備 第1類 1年ごと
スプリンクラー設備
水噴霧消火設備
泡消火設備 第2類
不活性ガス消火設備 第3類
ハロゲン化物消火設備
粉末消火設備
屋外消火栓設備 第1類
動力消防ポンプ設備 第1類又は第2類
パッケージ型消火設備※ 第1類、第2類
又は第3類
パッケージ型自動消火設備※
共同住宅用スプリンクラー設備※ 第1類



自動火災報知設備 第4類 第2種
ガス漏れ火災警報設備
漏電火災警報器 第7類
消防機関へ通報する火災報知設備 第4類
非常警報器具及び非常警報設備 第4類又は第7類 1年ごと
共同住宅用自動火災報知設備※ 第4類
住戸用自動火災報知設備※
共同住宅用非常警報設備※ 第4類又は第7類
特定小規模施設用自動火災報知設備※ 第4類
複合型居住施設用自動火災報知設備※



すべり台、避難はしご、救助袋、
緩降機、避難橋その他の避難器具
第5類
誘導灯及び誘導標識 第4類又は第7類
(電気工事士又は
 電気主任技術者の
 免状の交付を受けて
 いる者)



防火水槽又はこれに代わる
貯水池その他の用水
第1類又は第2類









排煙設備 第4類又は第7類 第2種 1年ごと
連結散水設備 第1類又は第2類 第1種
連結送水管 1年ごと
非常コンセント設備 第4類又は第7類 第2種
無線通信補助設備
共同住宅用連結送水管※ 第1類又は第2類 第1種 1年ごと
共同住宅用非常コンセント設備※ 第4類又は第7類 第2種 -
加圧防排煙設備※ 1年ごと



非常電源専用受電設備 当該非常電源、配線又は操作盤が
附置される各消防用設備等の
点検資格を有する者
1年ごと
蓄電池設備
自家発電設備
燃料電池設備
配     線
総合操作盤 6月ごと
特殊消防用設備等 甲種特類 特種 設備等設置維持計画に定める点検期間ごと

※必要とされる防火性能を有する消防の用に供する設備等

点検報告の義務のある防火対象物・報告期間

防  火  対  象  物 (消防法施行令別表第1) 点検結果報告の期間
消防用
設備等
特殊消防用
設備等
(1) 劇場、映画館、演芸場又は観覧場 1年に1回 設備等設置維持計画に定める点検の結果についての報告期間ごと
公会堂又は集会場
(2) キャバレー、カフェー、ナイトクラブその他これらに類するもの
遊技場又はダンスホール
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和23年法律第122号)第2条第5項に規定する性風俗関連特殊営業を営む店舗(ニ並びに(1)項イ、(4)項、(5)項イ及び(9)項イに掲げる防火対象物の用途に供されているものを除く。)その他これに類するものとして総務省令で定めるもの
カラオケボックスその他遊興のための設備又は物品を個室(これに類する施設を含む。)において客に利用させる役務を提供する業務を営む店舗で総務省令で定めるもの
(3) 待合、料理店その他これらに類するもの
飲食店
(4) 百貨店、マーケットその他の物品販売業を営む店舗又は展示場
(5) 旅館、ホテル、宿泊所その他これらに類するもの
(5) 寄宿舎、下宿又は共同住宅 3年に1回
(6) 病院、診療所又は助産所 1年に1回
  • (1)老人短期入居施設、養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム(介護保険法(平成9年法律第123号)第7条第1項に規定する要介護状態区分が避難が困難な状態を示すものとして総務省令で定める区分に該当する者(以下「避難が困難な要介護者」という。)を主として入居させるものに限る。)、有料老人ホーム(避難が困難な要介護者を主として入居させるものに限る。)、介護老人保健施設、老人福祉法(昭和38年法律第133号)第5条の2第4項に規定する老人短期入所事業を行う施設、同条第5項に規定する小規模多機能型居宅介護事業を行う施設(避難が困難な要介護者を主として宿泊させるものに限る。)、同条第6項に規定する認知症対応型老人共同生活援助事業を行う施設その他これらに類するものとして総務省令で定めるもの
  • (2)救護施設
  • (3)乳児院
  • (4)障害児入所施設
  • (5)障害者支援施設(障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成17年法律第123号)第4条第1項に規定する障害者又は同条第2項に規定する障害児であって、同条第4項に規定する障害支援区分が避難が困難な状態を示すものとして総務省令で定める区分に該当する者(以下「避難が困難な障害者等」という。)を主として入所させるものに限る。)又は同法第5条第8項に規定する短期入所若しくは同条第15項に規定する共同住宅援助を行う施設(避難が困難な障害者等を主として入所させるものに限る。ハ(5)において「短期入所等施設」という。)
  • (1)老人デイサービスセンター、軽費老人ホーム(ロ(1)に掲げるものを除く。)、老人福祉センター、老人介護支援センター、有料老人ホーム、(ロ(1)に掲げるものを除く。)、老人福祉法第5条の2第3項に規定する老人デイサービス事業を行う施設、同条第5項に規定する小規模多機能型居宅介護事業を行う施設(ロ(1)に掲げるものを除く。)その他これらに類するものとして総務省令で定めるもの
  • (2)更生施設
  • (3)助産施設、保育所、児童養護施設、児童自立支援施設、児童家庭支援センター、児童福祉法(昭和22年法律第164号)第6条の3第7項に規定する一時預かり事業又は同条第9項に規定する家庭的保育事業を行う施設その他これらに類するものとして総務省令で定めるもの
  • (4)児童発達支援センター、情緒障害児短期治療施設又は児童福祉法第6条の2第2項に規定する児童発達支援若しくは同条第4項に規定する放課後等デイサービスを行う施設(児童発達支援センターを除く。)
  • (5)身体障害者福祉センター、障害者支援施設(ロ(5)に掲げるものを除く。)、地域活動支援センター、福祉ホーム又は障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律第5条第7項に規定する生活介護、同条第8項に規定する短期入所、同条第12項に規定する自立訓練、同条第13項に規定する就労移行支援、同条第14項に規定する就労継続支援若しくは同条第15項に規定する共同生活援助を行う施設(短期入所等施設を除く。)
幼稚園又は特別支援学校
(7) 小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、高等専門学校、大学、専修学校、各種学校その他これらに類するもの 3年に1回
(8) 図書館、博物館、美術館その他これらに類するもの
(9) 公衆浴場のうち、蒸気浴場、熱気浴場その他これらに類するもの 1年に1回
(9) イに掲げる公衆浴場以外の公衆浴場 3年に1回
(10) 車両の停車場又は船舶若しくは航空機の発着場(旅客の乗降又は待合いの用に供する建築物に限る。)
(11) 神社、寺院、教会その他これらに類するもの
(12) 工場又は作業場
映画スタジオ又はテレビスタジオ
(13) 自動車車庫又は駐車場
飛行機又は回転翼航空機の格納庫
(14) 倉庫
(15) 前各項に該当しない事業場
(16) 複合用途防火対象物のうち、その一部が(1)項から(4)項まで、(5)項イ、(6)項又は(9)項イに掲げる防火対象物の用途に供されているもの 1年に1回
(16) イに掲げる複合用途防火対象物以外の複合用途防火対象物 3年に1回
(16の2) 地下街 1年に1回
(16の3) 建築物の地階((16の2)項に掲げるものの各階を除く。)で連続して地下道に面して設けられたものと当該地下道とを合わせたもの((1)項から(4)項まで、(5)項イ、(6)項又は(9)項イに掲げる防火対象物の用途に供される部分が存するものに限る。)
(17) 文化財保護法(昭和25年法律第214号)の規定によって重要文化財、重要有形民俗文化財、史跡若しくは重要な文化財として指定され、又は旧重要美術品等の保存に関する法律(昭和8年法律第43号)の規定によって重要美術品として認定された建造物 3年に1回※
(18) 延長50メートル以上のアーケード 3年に1回
    は特定防火対象物
※特定用途に供される場合には、1年に1回

消防法抜粋

消防用設備等の設置、維持と特殊消防用設備等の適用除外

第17条
 学校、病院、工場、事業場、興行場、百貨店、旅館、飲食店、地下街、複合用途防火対象物その他の防火対象物で政令で定めるものの関係者は、政令で定める消防の用に供する設備、消防用水及び消火活動上必要な施設(以下「消防用設備等」という。)について消火、避難その他の消防の活動のために必要とされる性能を有するように、政令で定める技術上の基準に従つて、設置し、及び維持しなければならない。
(2)(3)〔略〕

消防用設備等又は特殊消防用設備等の点検及び報告

第17条の3の3
 第17条第1項の防火対象物(政令で定めるものを除く。)の関係者は、当該防火対象物における消防用設備等又は特殊消防用設備等(第8条の2の2第1項の防火対象物にあつては、消防用設備等又は特殊消防用設備等の機能)について、総務省令で定めるところにより、定期に、当該防火対象物のうち政令で定めるものにあつては消防設備士免状の交付を受けている者又は総務省令で定める資格を有する者に点検させ、その他のものにあつては自ら点検し、その結果を消防長又は消防署長に報告しなければならない。

罰則

第44条
 次のいずれかに該当する者は、30万円以下の罰金又は拘留に処する。
(1) ~ (10)〔略〕
(11)第8条の2の2第1項(第36条第1項において準用する場合を含む。)
   又は第17条の3の3の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
(12) ~ (23)〔略〕